秋田県北秋田市の病院で高齢者8人が集団感染で亡くなるなど、インフルエンザが流行開始の兆しをみせてきた。専門家は「今年の日本での流行は例年より早くなる可能性がある」と指摘。子供や高齢者、持病のある人は重症化しやすいことから、早急のワクチン接種と症状が出たときの早めの医療機関受診を呼びかけている。(平沢裕子)(産経新聞)
曽野医院
秋田県北秋田市の病院で高齢者8人が集団感染で亡くなるなど、インフルエンザが流行開始の兆しをみせてきた。専門家は「今年の日本での流行は例年より早くなる可能性がある」と指摘。子供や高齢者、持病のある人は重症化しやすいことから、早急のワクチン接種と症状が出たときの早めの医療機関受診を呼びかけている。(平沢裕子)(産経新聞)
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体脂肪には皮下脂肪と内臓脂肪があります。ダイエットの目的はこの体脂肪を減らす目的としていますが、最近では、内臓脂肪を減らすためにダイエットをしているという人も少なくないようです。内臓脂肪は肝臓、腎臓など内臓のまわりに存在し、蓄積されるのが早いですが、分解されるのも早いという性質を持っています。
どのような理由で、内臓脂肪は危険視されているでしょうか?
動脈硬化に起因する脳梗塞、心筋梗塞など生死に関わる恐ろしい病気は、
内臓脂肪の増加によって起き易い高脂血症や高血圧と関わりがあるからです。
内臓脂肪は人間の体に害を与える悪玉的な存在であるという事実が重く見られています。内臓脂肪は過剰な血糖の上昇を安定させるのに必要なインスリンの働きを低下させます。インスリンの効果が減ると、糖尿病などの生活習慣病に罹り易くなります。時に致命的になる心筋梗塞や脳梗塞は、血糖値の上昇で動脈硬化が進み、血管の脆弱性や血栓ができることなども一因です。
だから、内臓脂肪が増えても健康にいい影響はありません。コツコツと食事療法と運動療法(特に有酸素運動)を続けることで、内臓脂肪の増えにくい体作りを目指しましょう。
ジェネリック医薬品(Generic drug、後発医薬品とも言います。)とは、成分そのものやその製造方法を対象とする特許権(パテント)が消滅した先発医薬品について、特許権を持つ製薬会社ではない他の製薬会社がその特許の内容を利用して製造した、同じ主成分を含んだ医薬品をいいます。
テレビCMなどで宣伝されたのとは裏腹に、完全に「先発医薬品と同じ成分で,同じ効き目の医薬品で,先発医薬品より安価な薬」とは言えない現状があるようです。というのは一つの先発医薬品に対して複数のジェネリック医薬品があり、(先発医薬品の特許権が消滅するとゾロゾロ沢山出てくるので「ゾロ」「ゾロ品」「ゾロ薬」等とも呼ばれていました。)製造元も大手製薬会社の子会社から聞いたことの無いところまで玉石混交です。
当院は製造元や製剤を注意深く選べば、上述のような問題はほとんど無くなるのではないかと考えています。
患者さんの経済的負担軽減という観点からも当院は、 ジェネリック医薬品を処方することに基本的には賛成です。基本的にと書かせて頂いたのは、種々の情報を調べた結果、お勧めできないものも存在すると思われます。
発売して一年未満の新薬や発売して年数の経っていないクスリにはジェネリック医薬品はありません。従って、患者さんの状態を考慮した結果、「全てをジェネリック医薬品で」との御希望に反し、「これだけは新薬や先発医薬品で」ということをお薦めする状況も出ることをご理解下さい。
要するに、『適剤適所』が良いと考えています。
「葉酸」は、豆類や、ほうれん草などの緑黄色野菜に含まれる水溶性ビタミンB群の一種です。ビタミンB12とともに、造血作用があることが特徴で、赤血球をつくる作用のみならず、代謝に深く関与し、タンパク質や核酸の合成に作用して細胞の生産や再生を助け、体の発育を促進し、細胞が新しくつくり出される時に必要な栄養素です。
日本ではまた広く知られていませんが、高齢者の認知症や脳卒中を予防する効果があることが、アメリカなどの調査で明らかになりました。10年前、アメリカでは、穀物への葉酸添加が義務付けられ、そのおかげで、脳卒中の死亡率が急速に低下したそうです。
1998年、アメリカの食品医薬品局(FDA)は、主食となる穀類への葉酸を添加することを義務付けました。これにより、新生児の二分脊椎のような「神経管欠損障害」がおよそ2割減少しました。(2001年の報告)
アメリカ以外の国で穀物への葉酸添加を実施しているのは、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどで、いずれの国でも、神経管欠損障害の発生頻度を大幅に減らす成果をあげているそうです。
葉酸の摂取は、新生児に対してだけでなく、高齢者に対しても多大な恩恵をもたしてくれることが明らかになったのです。アメリカは、葉酸の摂取を推進することにより、1998年以降、脳卒中による死亡率を、10万人中180人から150人にまで減少させました。
更に、1998年以降、アメリカ国民の血中のホモシステインが減少したこともわかっています。葉酸やビタミンB12、ビタミンB6はアミノ酸の一種であるホモシステインの産生を抑制することが知られています。ホモシステインの血中濃度が高くなると、認知症や動脈硬化症のリスクが高くなるそうです。(これらのビタミン摂取による血中ホモシステイン値の低下が、虚血性心疾患の予防につながると大きな期待も持たれています。)葉酸の摂取は、ホモシステインを減少させ、動脈硬化や認知症を予防してくれるわけです。
日本国内に目を転じると、まだ「葉酸」の必要量を十分に摂取できていない状況にあります。高齢になってからだと「葉酸」は吸収されにくくなります。脳卒中や認知症の発症を防ぐためには、若いうちから「葉酸」の摂取に努めた方がいいかも知れません。
紫外線ケアは、紫外線の強い季節だけでなく年間を通して行う必要があります。紫外線の影響を受けた肌のケアをするとしないとでは大違いです。
少し前まで、夏は適度に肌を日に焼いて小麦色になった方が見た目の印象としては健康的になるだけでなく、体にもいい影響があると考えられていたようです。
しかし、紫外線が肌に良くない作用があることが明確になってきたことで、紫外線を遮断するためや紫外線予防のスキンケアのために熱心になる人が増えました。
なぜ紫外線に対するケアが必要なのでしょうか? 皮膚ガンや紫外線アレルギー、白内障などは紫外線を浴び続けると発症するリスクが高くなりますし、皮膚のしみ(色素沈着)やシワ(皮膚のたるみなど)が増えることもあります。
皮膚の免疫力を低下させ、感染症に罹り易くさせてしまう紫外線は恐ろしいものです。日本では、しみ・しわと言うと、美容面だけでとらえて健康上では軽視されがちです。
紫外線ケアは大人になってから始めるものだと認識されている方が多いようですが、オーストラリアやアメリカは、紫外線は早いうちからケアをしなければならないものだという認識が育っています。(これは白色人種が紫外線の障害に曝され易いことにも関係します。)子供が小さい頃から紫外線ケアに気を配ることが一般的なようです。日本は未だそこまでは至っておらず、紫外線への警戒は甘いようです。実際はどれだけ若い時から紫外線ケアを行うかが、大人になってからの美容や健康に大きく関わっているようです。
患者さんがかかりつけの医院を選ぶときの基準は何でしょうか。
もちろん、医療技術や設備は当たり前です。
しかし、それ以上に求められているのは「親身な説明」です。つまり患者さんの立場に立って説明し、患者さんと共に病気を治す最善の治療法を見つけ出すことです。
「親身な説明」に欠かせないものは何でしょうか?
それは、具体的かつ詳細な説明と丁寧な話し方です。患者さんは、自分の体がどうなっているのかを詳しく知りたがっています。そして、それを分かり易い言葉で丁寧に説明されることを望んでいます。そのためには安心感を与える言葉が必要なのです。
患者さんは医師の言う言葉には非常に敏感になっています。「心配ないですよ」「たいしたことないですよ」「大丈夫ですよ」「今日は調子がよさそうですね」といった前向きで明るい言葉をかけられると安心します。「病は気から」とはよく言いますが、病状の改善に大きく影響しているのは間違いありません。
しかし、病気によっては、どうしても厳しいことを言わなければならない場合があります。例えば糖尿病の患者さんで食事療法や運動療法を守れないばかりに他病を併発しそうな場合(合併症)は、厳しく現状(場合によっては誇張的に)を説明しなければなりません。その場合でも「こうしないと駄目」ではなく「こうすれば大丈夫」とプラスの言葉に変換し、安心感を与えるようにします。このように、患者さんの病気に対する意識や闘病意欲を刺激するように話しを運ぶことが大事なのです。
言葉の力は想像以上に大きいです。人は些細な一言で生きる希望が沸いて来たり、絶望したりすることがあります。ましてや、人命を預かる医師の一言は重要です。言葉を選び、患者さんに安心感を与えることを、いま一度心掛けたいものです。
経験上、同じ病気の人なのに、回復の早い患者さんと、どうも治療が思わしくない患者さんに分かれます。分析してみると、回復が順調な患者さんは、私達医師の前向きな言葉を素直に受け止めて実行している方です。逆に、思った程、なかなか良くならない患者さんというのは、朝から晩まで病気のことばかりを考えているようです。これでは自分で病気を治りたくないと言っているようなものです。治し得る病気でも患者さんが “もうあかん! 治らない! ”と決め込んだら、まず治りません。
当院ではいろいろな性格の方に合った説明や治療法をもっと考えた医療を実施したいと日々考えています。
最近はサプリメントブームで、サプリメントを使う人が増えています。
薬とサプリメントを一緒に取り入れる場合、留意すべきことは何でしょうか?
サプリメントと一緒に摂取したために薬の効果が過度になり過ぎたり、思ったほど効き目が出なかったりします。
疲労回復効果や便秘に効果のあるグレープフルーツは、薬を分解してしまう酵素の働きを抑制してしまいます。それが原因で、薬の効果が出過ぎてしまう場合があります。グレープフルーツの特性は、生だけでなくサプリメントやジュースにした状態であっても効果が出る可能性があります。
ビタミンKがたくさん含まれている野菜には、主としてブロッコリーやほうれん草などが挙げられます。ビタミンKは血液凝固を阻害する作用があります。特に抗血液凝固薬ワルファリンなどを使用している方は特に注意が必要です。ビタミンK が大量に含まれるケールやクロレラが入った青汁や、納豆などに気をつけなければなりません。
病気になり医療機関で薬を処方された時は、自分がいつも飲んでいるサプリメントの種類や名前などを申告して、医師の指示を受けて下さい。もし聞くのを忘れてしまった場合は、薬を飲んでいる間はサプリメントを摂るのを中止した方が良いでしょう。
飲み合わせはそれぞれ個別に発生するものであり、サプリメントは食品なので基本的には飲み合わせはありませんが、全くないものではありません。飲み合わせや副作用のトラブルが起きないように、薬とサプリメントの扱いはくれぐれも慎重にして下さい。
子宮にできるがんは子宮の体部にできるものと子宮の頸部(子宮の入り口)にできるものがあります。
疫学調査では子宮頸がんは20~30代で急増しています。全世代では乳がんの次に多いがんですが、20~30代のがんの中では最も多く、日本では年間約15000人の発症が報告されています。
発症原因は発がん性HPV(ヒトパピローウイルス)による感染です。発がん性HPVは性交渉により感染されますが、極限られた特別な人だけが感染するのではなく、多くの女性は生涯で一度は感染するありふれたウイルスです。
発がん性HPVはいくつかのタイプがあり、その中でもHPV16型、18型は多く(約60%)の子宮頸がんで発見されています。この発がん性HPVに感染しても多くの場合は一過性(一時的に)でウイルスは自然に排除されますが、ウイルスが排除されずに長い間感染が続くと、一部は前がん病変(がんになる前の異常な細胞)となり、数年から十数年かけて子宮頸がんを発症する場合があります。尚、発がん性HPVは感染の機会があれば繰り返し何度でも感染します。HPV感染が子宮頸癌発生の必要条件です。
子宮頸がんワクチンの一つであるサーバリックスは発がん性HPV16型と18型の感染をほぼ100%防ぐことができます。サーバリックスの予防効果はメーカーのデーターによると6.4年間と報告されていますが、経過観察を続けることにより、更なる延長効果も期待されています。
サーバリックスは初回接種、初回接種から一ヶ月後、初回接種から六ヶ月後の合計3回、腕の筋肉内注射することによって十分な予防効果が得られます。きちんと最後まで接種することが大切です。尚、サーバリックス接種後も定期的に子宮頸がん検診を受ける必要があります。(主なワクチン接種対象者は11から12歳の少女達で、当分の間は癌検診対象者にならないこと、HPV16、HPV18以外のHPV型による子宮頸癌の早期発見が必要ということで)
サーバリックスの接種に関してのご質問などは気軽に当院まで御願いします。
東洋医学と西洋医学はどう違うのでしょうか。
西洋医学は機器による画像診断(CTスキャン、レントゲン、超音波画像など)や検査(血液、尿など)によりすばやく、病巣を発見することができます。
感染症や外傷などでは最も恩恵を受けています。しかし、西洋医学にも苦手なものがあります。
検査で異常がないが、患者さんの訴えがある場合には西洋医学は苦手なのです。
一方、東洋医学は、問診(患者さんの話を聞く)、切診(脈を診たり、お腹を触る)、望診(患者さんの外観や舌を診る)、聞診(口臭、体臭などを嗅ぐ)という診察方法から、病巣がどこにあるかということより、患者さんの身体のバランスの歪みを見きわめます。
診断に関しては、画像診断や検査値のように、客観的なデータは存在しません。しかし、患者さんの話に耳を傾け、一部分の病気の個所だけに注目するのではなく、身体全体からの病態の把握、五感からの観察・情報の収集など東洋医学的な専門知識を身に付けていることが要求されます。
たとえば、脈を診る事ひとつをとっても、指先から20種類以上の脈を感じ取れるように東洋医学の医師は感覚を研ぎ澄ましています。
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以上は医薬品流通業界人M氏のご投稿でした。 ご投稿有難うございました。
当医院では、西洋医学と東洋医学の両方を用いて診療することで理想的な医療を追求しています。西洋医学と東洋医学の相互補完による全体医療は今後ますます重要になってくると思います。 曽野
毎日の診察でよく貧血の患者さんが見受けられます。実はこの貧血症というのはクセモノで、
貧血の原因には色々ありますが、ほっといていいものとほっといたら酷い目に遭わされるものがあります。
一つの例を挙げますと、ある男性の患者さんが腰痛で来られ、
諸検査をしましたがこれと思われる原因が確定できませんでした。ところが、
血液検査で軽い貧血を認め、念のために便潜血検査を行なったところ、
陽性という結果で、ご本人は痔主ということでこれ以上の精密検査を拒まれました。
その後、色々説得をして大腸検査(大腸ファイバー検査)を受けて頂き、
結果は大腸に早期癌が見つかりました。
めでたく切除ができ、その後、嘘みたいに腰痛が治ってしまったのです。
つまり、命拾いをされたわけです。
皆さんも人事と思わずくれぐれもご用心を!