紫外線ケア

4月 21st, 2010 by 曽野医院 コメントはありません »

    紫外線ケアは、紫外線の強い季節だけでなく年間を通して行う必要があります。紫外線の影響を受けた肌のケアをするとしないとでは大違いです。

  少し前まで、夏は適度に肌を日に焼いて小麦色になった方が見た目の印象としては健康的になるだけでなく、体にもいい影響があると考えられていたようです。

  しかし、紫外線が肌に良くない作用があることが明確になってきたことで、紫外線を遮断するためや紫外線予防のスキンケアのために熱心になる人が増えました。

  なぜ紫外線に対するケアが必要なのでしょうか? 皮膚ガンや紫外線アレルギー、白内障などは紫外線を浴び続けると発症するリスクが高くなりますし、皮膚のしみ(色素沈着)やシワ(皮膚のたるみなど)が増えることもあります。

  皮膚の免疫力を低下させ、感染症に罹り易くさせてしまう紫外線は恐ろしいものです。日本では、しみ・しわと言うと、美容面だけでとらえて健康上では軽視されがちです。

  紫外線ケアは大人になってから始めるものだと認識されている方が多いようですが、オーストラリアやアメリカは、紫外線は早いうちからケアをしなければならないものだという認識が育っています。(これは白色人種が紫外線の障害に曝され易いことにも関係します。)子供が小さい頃から紫外線ケアに気を配ることが一般的なようです。日本は未だそこまでは至っておらず、紫外線への警戒は甘いようです。実際はどれだけ若い時から紫外線ケアを行うかが、大人になってからの美容や健康に大きく関わっているようです。

「病は気から?」

4月 17th, 2010 by 曽野医院 コメントはありません »

患者さんがかかりつけの医院を選ぶときの基準は何でしょうか。

もちろん、医療技術や設備は当たり前です。

しかし、それ以上に求められているのは「親身な説明」です。つまり患者さんの立場に立って説明し、患者さんと共に病気を治す最善の治療法を見つけ出すことです。

「親身な説明」に欠かせないものは何でしょうか?

それは、具体的かつ詳細な説明と丁寧な話し方です。患者さんは、自分の体がどうなっているのかを詳しく知りたがっています。そして、それを分かり易い言葉で丁寧に説明されることを望んでいます。そのためには安心感を与える言葉が必要なのです。

患者さんは医師の言う言葉には非常に敏感になっています。「心配ないですよ」「たいしたことないですよ」「大丈夫ですよ」「今日は調子がよさそうですね」といった前向きで明るい言葉をかけられると安心します。「病は気から」とはよく言いますが、病状の改善に大きく影響しているのは間違いありません。

しかし、病気によっては、どうしても厳しいことを言わなければならない場合があります。例えば糖尿病の患者さんで食事療法や運動療法を守れないばかりに他病を併発しそうな場合(合併症)は、厳しく現状(場合によっては誇張的に)を説明しなければなりません。その場合でも「こうしないと駄目」ではなく「こうすれば大丈夫」とプラスの言葉に変換し、安心感を与えるようにします。このように、患者さんの病気に対する意識や闘病意欲を刺激するように話しを運ぶことが大事なのです。

言葉の力は想像以上に大きいです。人は些細な一言で生きる希望が沸いて来たり、絶望したりすることがあります。ましてや、人命を預かる医師の一言は重要です。言葉を選び、患者さんに安心感を与えることを、いま一度心掛けたいものです。

経験上、同じ病気の人なのに、回復の早い患者さんと、どうも治療が思わしくない患者さんに分かれます。分析してみると、回復が順調な患者さんは、私達医師の前向きな言葉を素直に受け止めて実行している方です。逆に、思った程、なかなか良くならない患者さんというのは、朝から晩まで病気のことばかりを考えているようです。これでは自分で病気を治りたくないと言っているようなものです。治し得る病気でも患者さんが “もうあかん! 治らない! ”と決め込んだら、まず治りません。

当院ではいろいろな性格の方に合った説明や治療法をもっと考えた医療を実施したいと日々考えています。

「クスリとサプリメント」

4月 15th, 2010 by 曽野医院 コメントはありません »

      最近はサプリメントブームで、サプリメントを使う人が増えています。

   薬とサプリメントを一緒に取り入れる場合、留意すべきことは何でしょうか?

   サプリメントと一緒に摂取したために薬の効果が過度になり過ぎたり、思ったほど効き目が出なかったりします。

  疲労回復効果や便秘に効果のあるグレープフルーツは、薬を分解してしまう酵素の働きを抑制してしまいます。それが原因で、薬の効果が出過ぎてしまう場合があります。グレープフルーツの特性は、生だけでなくサプリメントやジュースにした状態であっても効果が出る可能性があります。

  ビタミンKがたくさん含まれている野菜には、主としてブロッコリーやほうれん草などが挙げられます。ビタミンKは血液凝固を阻害する作用があります。特に抗血液凝固薬ワルファリンなどを使用している方は特に注意が必要です。ビタミンK が大量に含まれるケールやクロレラが入った青汁や、納豆などに気をつけなければなりません。

  病気になり医療機関で薬を処方された時は、自分がいつも飲んでいるサプリメントの種類や名前などを申告して、医師の指示を受けて下さい。もし聞くのを忘れてしまった場合は、薬を飲んでいる間はサプリメントを摂るのを中止した方が良いでしょう。

  飲み合わせはそれぞれ個別に発生するものであり、サプリメントは食品なので基本的には飲み合わせはありませんが、全くないものではありません。飲み合わせや副作用のトラブルが起きないように、薬とサプリメントの扱いはくれぐれも慎重にして下さい。

子宮頸がん

4月 14th, 2010 by 曽野医院 コメントはありません »

   子宮にできるがんは子宮の体部にできるものと子宮の頸部(子宮の入り口)にできるものがあります。

   疫学調査では子宮頸がんは20~30代で急増しています。全世代では乳がんの次に多いがんですが、20~30代のがんの中では最も多く、日本では年間約15000人の発症が報告されています。

    発症原因は発がん性HPV(ヒトパピローウイルス)による感染です。発がん性HPVは性交渉により感染されますが、極限られた特別な人だけが感染するのではなく、多くの女性は生涯で一度は感染するありふれたウイルスです。

    発がん性HPVはいくつかのタイプがあり、その中でもHPV16型、18型は多く(約60%)の子宮頸がんで発見されています。この発がん性HPVに感染しても多くの場合は一過性(一時的に)でウイルスは自然に排除されますが、ウイルスが排除されずに長い間感染が続くと、一部は前がん病変(がんになる前の異常な細胞)となり、数年から十数年かけて子宮頸がんを発症する場合があります。尚、発がん性HPVは感染の機会があれば繰り返し何度でも感染します。HPV感染が子宮頸癌発生の必要条件です。

    子宮頸がんワクチンの一つであるサーバリックスは発がん性HPV16型と18型の感染をほぼ100%防ぐことができます。サーバリックスの予防効果はメーカーのデーターによると6.4年間と報告されていますが、経過観察を続けることにより、更なる延長効果も期待されています。

 サーバリックスは初回接種、初回接種から一ヶ月後、初回接種から六ヶ月後の合計3回、腕の筋肉内注射することによって十分な予防効果が得られます。きちんと最後まで接種することが大切です。尚、サーバリックス接種後も定期的に子宮頸がん検診を受ける必要があります。(主なワクチン接種対象者は11から12歳の少女達で、当分の間は癌検診対象者にならないこと、HPV16、HPV18以外のHPV型による子宮頸癌の早期発見が必要ということで)

 サーバリックスの接種に関してのご質問などは気軽に当院まで御願いします。

東洋医学と西洋医学

4月 12th, 2010 by 曽野医院 コメントはありません »

東洋医学と西洋医学はどう違うのでしょうか。

西洋医学は機器による画像診断(CTスキャン、レントゲン、超音波画像など)や検査(血液、尿など)によりすばやく、病巣を発見することができます。

感染症や外傷などでは最も恩恵を受けています。しかし、西洋医学にも苦手なものがあります。

検査で異常がないが、患者さんの訴えがある場合には西洋医学は苦手なのです。

一方、東洋医学は、問診(患者さんの話を聞く)、切診(脈を診たり、お腹を触る)、望診(患者さんの外観や舌を診る)、聞診(口臭、体臭などを嗅ぐ)という診察方法から、病巣がどこにあるかということより、患者さんの身体のバランスの歪みを見きわめます。

診断に関しては、画像診断や検査値のように、客観的なデータは存在しません。しかし、患者さんの話に耳を傾け、一部分の病気の個所だけに注目するのではなく、身体全体からの病態の把握、五感からの観察・情報の収集など東洋医学的な専門知識を身に付けていることが要求されます。

たとえば、脈を診る事ひとつをとっても、指先から20種類以上の脈を感じ取れるように東洋医学の医師は感覚を研ぎ澄ましています。

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 以上は医薬品流通業界人M氏のご投稿でした。 ご投稿有難うございました。

 

 当医院では、西洋医学と東洋医学の両方を用いて診療することで理想的な医療を追求しています。西洋医学と東洋医学の相互補完による全体医療は今後ますます重要になってくると思います。   曽野

プラセンタ療法

7月 29th, 2009 by 曽野医院 コメントはありません »

プラセンタ療法とは

 ヒト胎盤から抽出された有効成分を注射・点滴・内服などにより病気の治療に用いる療法です。

 プラセンタの有効成分

  各種成長因子(肝細胞増殖因子・神経細胞増殖因子・上皮細胞増殖因子

  コロニー形成刺激因子・インシュリン様成長因子など)

  サイカトイン(インターロイキンIL-1,2,3,4他)=12まで含有量測定

   ミネラル・ビタミン・アミノ酸・様々な酵素・核酸

 

 プラセンタ療法の位置づけ

  予防医学‥‥‥病気予防・アンチエイジング(老化防止・若返り)=アメリカンスタイル

  疾患治療‥‥‥下記参照

 

 プラセンタ療法の薬効・薬理

 自律神経調整作用・内分泌調整作用・免疫賦活作用・抗酸化作用・肝機能改善作用

   基礎代謝亢進作用・血行促進作用・抗炎症作用・創傷治癒促進作用・美肌作用

   細胞呼吸促進作用・抗疲労作用

 

プラセンタ療法の適応疾患

   疲れ・不眠・肩こり・腰痛・筋肉痛・関節痛・シミ・くすみ・肌荒れ・皮膚乾燥症・冷え性

 しもやけ・更年期障害・自律神経失調症・月経困難症・生理不順

  アレルギー疾患(アトピー・喘息・リウマチ)、膠原病・脳卒中後の神経麻痺

  肝機能障害(保険適用※ラエンネック)・胃十二指腸潰瘍・胃腸障害・便秘症

貧血は怖い。

7月 29th, 2009 by 曽野医院 コメントはありません »

    毎日の診察でよく貧血の患者さんが見受けられます。実はこの貧血症というのはクセモノで、
貧血の原因には色々ありますが、ほっといていいものとほっといたら酷い目に遭わされるものがあります。
一つの例を挙げますと、ある男性の患者さんが腰痛で来られ、
諸検査をしましたがこれと思われる原因が確定できませんでした。ところが、
血液検査で軽い貧血を認め、念のために便潜血検査を行なったところ、
陽性という結果で、ご本人は痔主ということでこれ以上の精密検査を拒まれました。

   その後、色々説得をして大腸検査(大腸ファイバー検査)を受けて頂き、
結果は大腸に早期癌が見つかりました。
めでたく切除ができ、その後、嘘みたいに腰痛が治ってしまったのです。
つまり、命拾いをされたわけです。
皆さんも人事と思わずくれぐれもご用心を!

メタボリックシンドローム

7月 29th, 2009 by 曽野医院 コメントはありません »

   わが国では近年『肥満』、『高血圧』、『糖尿病』、『高脂血症(コレステロールや中性脂肪が高いこと)』など、年を取るのとともに、年齢にあった良い食生活ができていないことや運動不足などで、このような『生活習慣病』といわれる病気を抱える人が多く見られるようになりました。生活習慣病は、それぞれが心臓血管病変を引き起こす危険因子となりますが、特にカギを握るのが、肥満です。
 肥満、つまり体に過剰な脂肪分が蓄積することによって、動脈硬化性疾患を中心とする多彩な疾患の基盤になっていることは周知の通りです。2002年にWHO(世界保健機構)は動脈硬化性疾患が世界の全死因の30%に達していることと、肥満の解消は国の健康政策の中で最も重要な対策の一つとして示しました。肥満を大きく分類すると、お腹の周りを中心とする上半身に脂肪が多く付く『リンゴ型』と言われるタイプとお尻や太ももを中心とする下半身に脂肪が多く付く『洋ナシ型』と言われる二つのタイプに分けられます。前者は内臓の周辺に脂肪が多く付いているタイプで、後者は皮下脂肪が主に蓄積しているタイプです。そして、生活習慣病のリスクを上げると言われているのは内臓脂肪の方です。内臓周辺に脂肪が多く蓄積してしまうと、体の代謝バランスが崩れ、他の種々な生活習慣病の引き金になることが分かっています。我々の医療の場においては、単純に体重や肥満度の計算だけでなく、こういった肥満の種類も考慮して、疾患としての肥満症、つまりよりリスクの高い内臓脂肪の蓄積状態を医学的に診断し、治療対象にすることが重要です。
 生活習慣病が危険なところは、病態がいくつか重なることによって、動脈硬化のスピードがさらに進み、脳卒中や心筋梗塞など、命にかかわる病気のリスクがそれだけ跳ね上がることです。ある調査では、前述の四つの病態(肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症)のうち二つある人は、全くない人に比べて心臓病の危険度が10倍近くあり、三つ以上ある人では31倍にもなるという結果が出ています。
     このように、病態が重複している状態を『代謝異常症候群(メタボリックシンドローム)』と呼びます。以下の危険因子の中で、三つ以上当てはまれば診断できます。
①腹部肥満(ウエスト径)が男子85cm女子90cmを超えた場合
②中性脂肪が150mg/dl以上の場合
③HDLコレステロール(善玉コレステロール)が男子40mg/dl、女子50mg/dl
                      を下回った場合
④収縮期血圧(上の血圧)が130mmHg以上
拡張期血圧(下の血圧)が85mmHg以上 の場合
⑤空腹時血糖が110mg/dl以上の場合
 日本の成人男性の約20%近くが.該当すると言われているから、決して他人事ではありません。内臓脂肪を減らし、メタボリックシンドロームを防ぐために、皆様も改めて生活習慣を見直してみませんか?規則正しく、バランスの良い食生活や適度な運動習慣などに生活改善することで、リスクは十分軽減できます。

ヒポクラテスの誓い

7月 29th, 2009 by 曽野医院 コメントはありません »

医の実践を許された私は、全生涯を人道に捧げる。

恩師に尊敬と感謝を捧げる。

良心と威厳をもって医を実践する。

患者の秘密を厳守する。

医業の名誉と尊い伝統を保持する。

同僚は兄弟とみなし、人種、国家、社会的地位の何故によって、患者を差別しない。

人間の生命の受胎のはじまりを至上のものとして尊ぶ。

いかなる弾圧にあうとも人道に反した目的のために、我が知識を悪用しない。

以上は自由意志により、また名誉にかけて、厳粛に誓うものである。