高尿酸血症

1月 18th, 2017 by 曽野医院 Leave a reply »

明けましておめでとうございます。

今年も皆様の健康つくりに微力ながらご協力をさせて頂きますので、宜しくお願いします。

健康診断で尿酸が高いことが指摘される方は年々増えています。

これは生活様式に関係しているようです。尿酸が高いことは痛風を惹起し、腎機能をも悪化させます。尿酸が高い方において、食事療法、飲酒制限、運動の推奨といった生活指導は大変重要です。ある製薬会社で行ったアンケート調査では、食事や飲酒に気を使っていながらも誤って認識されている方もいらっしゃいました。

今日はこのことについてお話致します。

プリン体制限は何よりも重要?
プリン体の摂取を制限することがとにかく重要と考えている方が多くいました。しかし、食事療法の主眼は、プリン体の制限よりむしろ総エネルギーの制限の方が大切です。特に肥満傾向にある尿酸の高い方は、摂取エネルギーの適正化が食事療法の第一に挙げられています。

プリン体ゼロなら大丈夫? ビールと高尿酸血症
尿酸の高い方には、ビールを避ける方が多くいます。そのため、「プリン体ゼロ」や、焼酎など蒸留酒に変える方がいます。アルコール飲料は、プリン体の有無にかかわらず、それ自体の代謝に関連して血清尿酸値を上昇させます。アルコールは、種類を問わず摂取量を減らすことが重要です。
不足分は植物性蛋白質で補う
食事の注意点としては肉類の摂取量を減らすと考えている方がいます。動物性蛋白質は血清尿酸値を上昇る点は正しいですが、肉や魚の摂取量を減らすと蛋白質が不足する可能性があります。動物性蛋白質は摂り過ぎに気を付けることともに、不足分は納豆や豆腐等の植物性蛋白質で補うことが大切です。
尿酸値を上げると誤解されやすい食べ物
鶏卵や魚卵、チーズを避けるという尿酸の高い方がいます。実はプリン体量は細胞数に比例して多くなります。鶏卵やいくら等の魚卵は、ひとつひとつが目に見えるほど大きい細胞ですから、実はプリン体量は多くはありません。また、チーズ等の乳製品はむしろ血清尿酸値を低下させ、痛風のリスクをも増加させないことが判明しました。ただし、いずれの食材もエネルギーの面では注意が必要です。

生活指導を行って頂いた上でも尿酸値が高い方には、尿酸降下薬の投与を考えた方が良いでしょう。ご遠慮なく当院にご相談下さい。

曽野医院

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